カテゴリー別アーカイブ: 歴史・家紋

桜(1)その国家主義的象徴

武士道という観念は、武士が具体的な戦闘で死ぬ必然性が無くなった江戸時代に入ってからイデオロギー化した。
その武士道を精神運動として美学的にサポートしたのが本居宣長をはじめとする国学者であった。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花 (本居宣長)

靖国神社の遊就館に入ると最初に飛び込んできたのがこの和歌である。この頃から、桜とナショナリズムが融合していったんだろうな。そして、武士道というイデオロギーもそれに近いところに存在していた。

実際は、江戸時代の後期には、武士階級はほとんどが事務員と化していた。また、仕事の無い旗本なんかは隅田川に船を浮かべて、桜を見ながら粋だとかなんとか言っていたんだろう。
だから、彼らに実際の戦闘行為が出来たかというとはなはだ怪しい。例えば、現代の公務員にいきなり刀や槍を持たせて戦えというのと同じように、当時の武士階級に、無理やり、先祖伝来の具足を付けさせて戦場に駆り出したのが、長州征伐や鳥羽伏見の戦いだったんだろうね。
そしてそこでは、多くの直参、旗本達は愚痴を言いながら、アリバイ作りのためにとりあえず、戦場に赴いたんだと思う。

逆に、幕末の戦闘において、奇兵隊とか新撰組とかの非武士階級の方が武勇をとどろかせたのは、むしろ彼らのほうがより、意識的に「武士とは何か」「戦うとは何か」「そして何のために死ぬのか」を考えるポジションにあったからだ。

ところが、その答え、一体誰のために死ぬのかという思想が、この幕末から明治維新にかけて大きくかわったんだよね。江戸時代にあった家のために死ぬ、藩のためにしんで名誉を残すというロジックが、この時期、国家のために死ぬというイデオロギーにスリ替わったんだよね。

その、国のためにパッと散ってこそ、大和心という思想の象徴として、山桜紋が国家主義的戦略組織の印として散見されるようになる。

陸軍、海軍、学習院、靖国神社、そして大相撲、今でもこれらの組織の紋所には山桜が使われているんだ。
戦国時代より以前には、桜紋はほとんど広まらず、逆に「桜」は死霊を呼び寄せる、あるいは不吉な予兆として意識されていたのに、そういった日本の伝統は幕末>明治に強引に変わったんだよね。

2へつづく

まさむね

七曜は安産祈願

七曜紋は、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星の七つの星を家紋にしたものとも、北斗七星を家紋にしたものとも言われている。後者は妙見信仰をもとにしている。

一般に星は、海の民や狩猟民の守りである。農耕民と違って、それらの民は星の運行、方角を性格に把握する事がが生死を分けるほど大事だと考えられていたからだ。志摩の九鬼氏は七曜を家紋としているが、戦国時代には日本一の水軍として織田信長に従った。また、東北地方南部の星宿信仰のある地域にもこの家紋を持つ者が多いが、それらの人々は元々狩猟民だったのかもしれない。

さて、この七曜は江戸時代以降は、七面大明神信仰と結びつき、何故か安産の守り神ともなる。田沼意次の父意行は子供に恵まれなかったが、出産・安産守りの七面大明神に祈誓をかけ、意次が生まれた。田沼家はここから七曜を家紋にしたと伝えられている。

ちなみに、映画「恋空」でも安産を願う彼氏(三浦春馬)が七曜が入った安産守りを彼女に買っていくシーンがある。

まさむね

桔梗紋は不吉

桔梗紋という紋所がある。
有名な武将では、太田道灌、明智光秀がいる。
また、幕末から明治にかけては、同紋の坂本龍馬や大隈重信が活躍した。

しかし、これらの歴史上の人物は、みんないいところまで行くんだけど、暗殺、敗死といった不幸な結末を迎えている。(ただし、大隈重信は、暗殺されるが命は取り留める)

最近では、NOVAの社章この紋所が使われていたので、なんかあったら大変だと思っていたが、突然の営業停止に追い込まれたというニュースが入ってきた。

取り越し苦労かと思うが、今年に入って、ある生命保険会社のポスターに氷川きよしがこの桔梗紋をつけて笑顔で写っていた。ちょっと気になる...

まさむね

横綱・白鵬の紋所が三つ鱗なのをご存知だろうか。

横綱・白鵬の紋所が三つ鱗なのをご存知だろうか。

実はこの紋は、13世紀にモンゴル来襲を撃退した北条時宗を輩出した北条家の家紋として知られている。

ところが、その紋所をモンゴル出身の横綱が身に付けているということ、これは如何に。

俺なりに二つほど邪推してみた。

一つは横綱になったことで、日本を制圧したことの印として元寇の復讐を果し、念願の相手の大将の家紋を奪い取ったという説。(実際に戦国時代には、竜造寺氏が戦に勝った、大友氏の杏葉紋を奪ったという事例がある)
もう一つは、白鵬がこの三つ鱗を身に付けることによって、日本側に着き、もう一人の横綱・朝青龍を迎え撃つ覚悟の印としたという説だ。

本当の事知ってる人、教えて。

まさむね

有名寺社紋(東京近辺)

池上本門寺 ( 日蓮宗大本山。力道山、幸田露伴等の墓あり。 ) – 井桁に菊座橘紋 – 東京都大田区池上1-1-1池上本門寺


建長寺 ( 臨済宗建長寺派の大本山。鎌倉五山の第一位。 ) – 北条三つ鱗紋 – 神奈川県鎌倉市山ノ内8建長寺


鶴岡八幡宮 ( 武家源氏、鎌倉武士の守護神。 ) – 鶴の丸紋 – 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31鶴岡八幡宮


平間寺 ( 通称、川崎大師(かわさきだいし) ) – 丸に三つ柏紋 – 神奈川県川崎市川崎区大師町4-48川崎大師平間寺


熊野神社 ( 祭神は熊野大神。境内に秋葉神社、銭洗弁財天等がある。 ) – 烏紋 – 埼玉県川越市連雀町17-1


秩父神社 ( 秩父地方の総社。秩父夜祭で有名。 ) – 向い銀杏紋 – 埼玉県秩父市番場町1-3


大鳥神社 ( かつての目黒村の鎮守。主祭神は日本武尊 ) – 鳳凰紋 – 東京都目黒区下目黒3-1-2


東郷神社 ( ロシアバルチック艦隊を破った元帥海軍大将の東郷平八郎を主祭神にしている。 ) – 菊花に蔦紋 – 東京都渋谷区神宮前1-5-3


浅草神社 ( 通称に三社権現、三社様。 ) – 丸に三つ葵紋、丸に三つ干網紋 – 東京都台東区浅草2-3-1浅草神社


不忍池弁天堂 ( 琵琶湖に見立た忍池の中に竹生島を模した弁財天がある。 ) – 抱き波に三つ鱗紋 – 東京都台東区上野公園2-1不忍之池弁天堂


上野寛永寺 ( 徳川家の菩提寺 ) – 丸に三つ葉葵紋 – 東京都台東区上野桜木1-14-11


築地本願寺 ( 浄土真宗本願寺派。伊東忠太による建築。 ) – 九条藤紋 – 東京都中央区築地3-15-1


水天宮 ( 安産・子授け・七五三・初宮・芸能祈願・水難除けなどのご利益で知られる。 ) – 椿紋 – 東京都中央区日本橋浜町2-30-3


靖国神社 ( 日本の軍人、軍属等を主な祭神として祀る。 ) – 十六菊紋 – 東京都千代田区九段北3-1-1靖国神社


神田明神 ( 大己貴命、少彦名命、平将門命の3柱を祀る。 ) – 尾長巴紋 – 東京都千代田区外神田2-16-2


多田神社 ( 多田満仲を奉る ) – 笹竜胆紋 – 東京都中野区南台3-43-1


根津神社 ( 古くは「根津権現」とも称された。 ) – 念じ右卍紋 – 東京都文京区根津1-28-9根津神社


湯島天神 ( 境内の梅の花も有名。 ) – 加賀梅鉢紋 – 東京都文京区湯島3-30-1


乃木神社 ( 乃木希典将軍と乃木静子夫人を祀る。 ) – 市松四つ目結紋 – 東京都港区赤坂8-11-27乃木神社


長谷寺 ( 曹洞宗の永平寺東京別院 ) – 竜胆車紋 – 東京都港区西麻布2-21-34


成田山新勝寺 ( 真言宗智山派大本山。本尊は不動明王。 ) – 牡丹紋 – 千葉県成田市成田1


小田原・鎌倉の家紋

御食事処大雅 ( 定食屋 ) – 丸に違い鷹の羽紋 – 神奈川県小田原市飯泉1219-6


小田原商店街 ( アーケード天井の装飾 ) – 北条鱗、大久保藤、折敷に三の字等 – 神奈川県小田原市栄町1


駅弁 ( JRの売店 ) – 北条鱗紋 – 神奈川県小田原市栄町1


相模茶寮いずみ ( 和食屋 ) – 丸に立ち梶の葉 – 神奈川県小田原市栄町1-5-18


魚河岸でん ( 海鮮丼屋 ) – 北条鱗紋 – 神奈川県小田原市栄町2-3-4


鎌倉御家人指物 ( 鎌倉御家人指物 ) – 笹竜胆紋 – 神奈川県鎌倉駅西口


マンホール ( マンホール ) – 笹竜胆紋 – 神奈川県鎌倉市


五島 ( 蕎麦屋 ) – 下り藤紋 – 神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-1-3


鎌倉五山 ( 定食屋 ) – 丸に剣片喰紋 – 神奈川県鎌倉市山ノ内1435-1


みつは志 北鎌倉店 ( 蕎麦屋 ) – 丸に三つ柏紋 – 神奈川県鎌倉市山ノ内168みつは志北鎌倉店


まるきうどん ( うどん屋 ) – 丸に木瓜にきの字 – 神奈川県鎌倉市雪ノ下1


池袋の家紋

あづま屋 ( 割烹・小料理 ) – 下り藤紋 – 東京都豊島区池袋2-2-7


ぐんぼう ( 焼き鳥屋 ) – 丸に変り梅紋 – 東京都豊島区池袋2-6-2


スタミナキッチン ( タイ料理屋 ) – 丸に違い鷹の羽紋 – 東京都豊島区上池袋3-34-13


竹若 ( 寿司 割烹 和食 ) – 竹輪に笹に向い魚 – 東京都豊島区西池袋1-10-10


柳寿司 ( 寿司屋 ) – 丸に立ち沢瀉紋 – 東京都豊島区西池袋1-18-1


三原堂 ( 和菓子屋 ) – 細輪に三つ鱗紋 – 東京都豊島区西池袋1-20-4


ならや ( 蕎麦屋 ) – 抱き柏紋 – 東京都豊島区東池袋1-17-11


豊月 ( 割烹・しゃぶしゃぶ・すき焼き ) – 五三鬼桐紋 – 東京都豊島区東池袋1-40-9


桃太郎 ( 寿司茶屋 ) – 九枚笹に桃 – 東京都豊島区東池袋1-42-8


田無の家紋

橘鮨 ( 寿司屋 ) – 丸に橘紋 – 東京都西東京市芝久保町2-18-21


住友不動産 ( 不動産屋 ) – 井桁紋 – 東京都西東京市田無町2-11-7


鮨金 ( 寿司屋 ) – 細輪に下り藤 – 東京都西東京市田無町4-25-1


豆勝 ( 小料理屋 ) – 丸に梅鉢紋 – 東京都西東京市田無町4-26-3


小野寺商事 ( 不動産屋 ) – 縦三浦三つ引両 – 東京都西東京市田無町4-26-5


むさし梅月 ( 和菓子屋 ) – 細輪に覗き八重向こう梅紋 – 東京都西東京市田無町5-1-14


春木屋 ( うどん屋 ) – 下り藤紋 – 東京都西東京市田無町6-13-8


錦寿司 ( 寿司屋 ) – 丸に橘紋 – 東京都西東京市南町5-29-4


新宿の家紋

志野 ( とんかつ屋 ) – 丸に剣片喰紋 – 東京都新宿区新宿2-7-5


だいこんの葉菜 ( 焼き鳥店 ) – 違い大根紋 – 東京都新宿区新宿3-11-1


鳥田むら ( 焼鳥、鳥料理 ) – 丸に三つ柏紋 – 東京都新宿区新宿3-11-2


げんき ( うなぎ料理店 ) – 陰鬼蔦紋 – 東京都新宿区新宿3-12-1


塚田農場 ( 宮崎料理じとっこ・焼酎 ) – 五瓜に宮の字紋 – 東京都新宿区新宿3-23-2-B1


三国一東口店 ( うどん屋 ) – 五瓜に桔梗紋 – 東京都新宿区新宿3-24-8三国一


こばやし ( 軽食 ) – 揚羽蝶紋 – 東京都新宿区新宿3-25-6


末広亭 ( 演芸場 ) – 丸に三つ柏紋 – 東京都新宿区新宿3-6-12末広亭


呑矢 ( 居酒屋 ) – 隅切り角に矢尻付一本矢紋 – 東京都新宿区新宿3-8-4


明石 ( ふぐ、魚介料理・海鮮料理 ) – 丸に陰違い鷹の羽紋 – 東京都新宿区新宿3-9-4


鈴乃屋 ( 着物店 ) – 月輪に三つ鱗紋 – 東京都新宿区歌舞伎町1-2-2きもの鈴乃屋 新宿サブナード店


しんぱち食堂 西武新宿店 ( 炭火焼き干物食堂 ) – 違い鷹の羽紋 – 東京都新宿区歌舞伎町1-26-3


織田瓜 ( 生花店 ) – 丸に織田瓜紋 – 東京都新宿区歌舞伎町2-10-8


車屋 ( 割烹・小料理、西洋各国料理 ) – オリジナル源氏車紋 – 東京都新宿区歌舞伎町2-37-1


増田屋 ( 蕎麦屋 ) – 剣木瓜紋 – 東京都新宿区歌舞伎町2-38-3


三裕 ( とんかつ屋 ) – 丸に三つ柏紋 – 東京都新宿区歌舞伎町2-42-11


神楽坂の家紋

かぐら坂志満金 ( うなぎ料理店 ) – 丸に上がり藤紋 – 東京都新宿区神楽坂21


食道楽 ( 居酒屋 ) – 丸に剣片喰紋 – 東京都新宿区神楽坂2-11


吾 ( 小料理屋 ) – 九枚笹紋 – 東京都新宿区神楽坂29吾


ほてや ( 呉服・和装小物専門店 ) – 丸に梅鉢紋 – 東京都新宿区神楽坂3-2


和食や ( 定食屋 ) – 丸に変り三階菱紋 – 東京都新宿区神楽坂3-2-16和食や


金谷ベーカリー ( パン屋 ) – 笹竜胆紋 – 東京都新宿区神楽坂3-2-5金谷ベーカリー


炙屋小鉄 ( 居酒屋 ) – 銭紋 – 東京都新宿区神楽坂3-2炙屋小鉄


喜楽 ( 天ぷら屋 ) – 下り藤紋 – 東京都新宿区神楽坂3-2喜楽


ろばたの炉 ( 炭火焼き屋 ) – 丸に中陰三階菱紋 – 東京都新宿区神楽坂35ろばたの炉


丸屋【閉店】 ( 蕎麦屋 ) – 丸に隅立て四つ目結紋 – 東京都新宿区神楽坂3-6


椿屋 ( 香舗 ) – 丸に三つ目結紋 椿紋(オリジナル) – 東京都新宿区神楽坂3-6椿屋


毘沙門せんべい福屋 ( 煎餅家 ) – 丸に違い釘抜き紋 – 東京都新宿区神楽坂42毘沙門せんべい福屋


むあん ( つけ麺処 ) – 山桜紋(オリジナル) – 東京都新宿区神楽坂6-36