ラストフレンズ 三低男の典型

バブルの頃のモテる条件は3高(高学歴、高身長、高収入)だったが、今は3低(低姿勢、低依存、低リスク)というらしい。
「ラストフレンズ」のタケル(瑛太)はまさしくその条件にぴったりのイイ男だ。

常に、相手の事を気遣う姿勢の低さは、同居人?のミチル(長澤まさみ)から「タケル君は誰をも幸せにする才能があるね。」って言われる。
また、昼間はヘアメイクアーティスト(まだ半人前だが)、夜はバーテンダーと働き分ける彼は、ほそぼそながら自立し、自分の道を進もうとしている。精神的にも経済的にも相手を束縛せず同時に、依存しないタイプだ。

そして3つ目。セックスレスの彼は、ある意味、最高に低リスクな男だ。

※低リスクとは実は、公務員的な将来性のリスクが少ないということらしいが、それだと宗佑(錦戸亮)とかぶるのであえて、別解釈しちゃった。

まさむね

平成の平安化を踏まえて、橋下知事に期待

平成の現代は平安化しているという論評をたびたび見かける。

例えば、井沢元彦氏は、現代の護憲憲法を律令(ともに、建前だけの成文法)に、自衛隊を検非違使(ともに、成文法から逸脱した令外の官)に、それぞれなぞらえてその状況を説明される。
また、大塚ひかり氏は、見かけ重視主義、恋愛至上主義等をさして、平成と平安の共通点を指摘している。

いずれにしても、現代の閉塞感はますますつのっているようにも感じられるが、平安時代も多分、そうだったんだろうな。朝廷の政治は一部の公家(藤原北家)に独占され、出世の見込みを失った、他の氏族(源氏や平氏)は地方に下り、実力を蓄える。地方の治安の惨状をきっかけに徐々に中央政府への不満が醸成、そして爆発。平将門の乱、前九年の役、そして、平家政権を経て、鎌倉幕府誕生にいたるのである。

そんな、1000年前の流れを見ていると、今後の日本を占う上で重要なキーワードが浮かび上がってくる。
日本が変わるには地方の活性化が必要不可欠なのだ。

そこで、橋下さんのように、失敗して元々の人材が、地方でやりたいことをやり、言いたいことをする事が、閉塞的な時代を動かしていくんだろうな。

まさむね

ラストフレンズ 青い鳥、新約聖書、古事記からの飛び出た三人

フジテレビ 木曜日10:00からの「ラストフレンズ」が佳境に迫っている。

長澤まさみ(ミチル)、上野樹里(ルカ)、そして瑛太(タケル)が出演しているが、私が個人的に気になっているのが、左記3人の名前がそれぞれ、童話、聖書、神話をぼんやりと想起させることだ。

言うまでも無く、ミチルは、「青い鳥」(メーテルリンク)に出てくる女の子の名前と同じだ。その童話では、幸せを探して、お兄さんのチルチルと様々な冒険をして、最後に自分の家で青い鳥=本当の幸せを見つける。「ラストフレンズ」のミチルは、幸せをさがしてフラフラする弱い女の子だが、最終的に幸せが見つけられるか楽しみだ。

ルカと言えば、キリスト教の聖人。新約聖書のルカ伝の著書として名高い。
ドラマの中のルカは、性同一障害者として他人に言えない悩みを抱えるが、宗教的(精神的)高みに達することは出来るのか。

タケルの名前はあまりにも有名。古事記に出てくる英雄(ヤマトタケル)だ。ただし、彼は父親に疎んじられ、熊襲や蝦夷征伐のために、日本中を放浪し、最後は力尽きて白鳥となったという悲劇的な存在だ。
ドラマの中のタケルは子供の頃に姉から性的悪戯を受け、それがトラウマになってしまった青年だ。自分の悩みを克服できず、最後美しく死んでしまうのか?

最終章を残した段階での勝手な妄想でございました。

まさむね

アフタースクール 勝利する中学時代の純情

内田けんじ監督、大泉洋、佐々木蔵之助、堺雅人出演の「アフタースクール」を見た。

はっきり言って、私の理解力では、1回見ただけだとよくわからないディテールが多かったが、この話がどういう価値観に基づいているのかということはおぼろげながら、解釈することが出来た。

ここでぶつかっているのは、佐々木蔵之助扮するチンピラが体現している実社会的・経済的価値と、大泉洋が体現している学校的価値だ。

話の途中で、小利口なチンピラ(佐々木蔵之助)が中学教師(大泉洋)を「この世間知らず!、早く中学、卒業しろ」と罵倒するが、最終的には、逆に「どこのクラスにもお前みたいな奴はいるよ。つまらんつまらんと言いながら他人のせいにばかりしている。」と反論される。

詳細の展開(この映画での一番の面白いストーリー)は省略するが、結局のところ、この映画は、中学時代的価値である初恋、友情、勤勉、正義といった価値が勝利する映画である。

最近、メディアでは学校で教える事や、教科書に書いてある事には価値が無い的な言説がはびこっているが、俺的は、今後は、個人的なレベルでは、スタンダードな人々の地味な価値観こそ再評価されるべきだと思うし、その意味で、この映画は、評価に値すると思う。

まさむね

後期高齢者医療制度に関して

後期高齢者医療制度を修正するのか?廃止するか?でまた国会でもめている。

少し前までは、現在の日本の個人資産の3/4は老人層が持っているんだから、いかにその層を相手にビジネスしようかってみんな考えていたんじゃないの?マスコミはいつの間にか、「かわいそうな」老人の味方になっているよね。

また、年金からの天引きが問題だという人もいるけど、俺が思うに、元々、国民年金っていうのは、農業や個人商店等の自営業者の老後のお小遣い制度だったんじゃないの?そういう層は、子供世代にあとを継がせたとしても、老後、同居しながら、ある程度、仕事は続けられるということで、月々6万円位の最低年金をあげればいいじゃないという事だったんじゃないかと思う。
そして、あとを継ぐという事が出来ないサラリーマン層には厚生年金を手当てしたんだよね。

ただ、問題は、この制度が出来た時から、社会状況は大きく変わってしまったということ、その間、大店法、減反政策などで、自営者は本当に苦しくなってしまった。
また、核家族化で、家族の「財布」が世代毎にバラバラになってしまった。さらに、同居している子供・孫世代がいたとしても、彼らは老人世代を養うというよりも、逆にパラサイトとして現実の収入不足を高齢者からの援助で補償している始末だ。

今回の問題は、後期高齢者医療制度という経済的な話だけじゃなくて、日本の社会自体をどのようにしていきたいのかという哲学不在が根本的な問題なんじゃないかな?その哲学(そして、ウソばっかりつく政府への信頼)がないから、みんな不安でしかたないんだよ。

でも、おそらく、この制度はなし崩しに進行し、なしくずしに定着していくんだろうな。絶望的だ。

まさむね

天窓にオバサン 想像を超える不条理

押し入れの天袋に、見ず知らずのオバサンが住んでいたという椿事が起きた。

ニュースによると福岡県志免町に無職男性(57)宅の天袋に無職堀川タツ子容疑者(58)が、住み込んでいたらしい。
なんでも、マットレスを持ち込んで数ヶ月間隠れ住んでいた疑いがあるという。

これを受けて、各局のワイドショーでは、お手洗いはどうしたんだろうか?とか風呂に入ったら、タオルが濡れてるからバレちゃうに違いないなどとか、いろいろと想像でコメントしていた。

しかし、現実世界は時として想像の世界をはるか超えることがあるんだね。

だから、この世は面白い。

まさむね

水道からドジョウの不条理な世界

水道管からドジョウが出てくるという椿事が発生した。
原因は、水道管と防火用配水管を誤って接続していたためとのことだが、3ヶ月位、その状態が続いたという。

ここで思い出すのがボリス・ヴィアンの「日々の泡」で、水道からウナギが出てくるシーンだ。
シュールでメチャクチャな現実を描いたこの作品の象徴的なシーンの一つが、21世紀になって、和歌山県で現実化するとは。

この事件、現代社会の不条理の象徴なのでしょうか。

まさむね

鶴丸の悲しい歴史

JALの飛行機から鶴丸のマークが消えるという。

今月で最後とのこと。
もともとこのマークは、家紋を下敷きにしたデザインなんだよね。

じゃあ、この鶴丸の家紋をつけた有名人を見てみよう。

まずは、足利将軍家に正妻を出し続けた、日野家。足利義政の夫人、日野富子が有名だ。
政治には全く興味のなかったオタク将軍の義政。ある時はケツを叩き、ある時は任せていられないとばかりに政務を取り仕切る。一般に、金儲け主義、悪女の典型とされる。
NHK大河「花の乱」(1994年放映)では三田佳子が演じていました。

また、戦国時代では、織田信長の小姓・森蘭丸で有名な森家の家紋もこの鶴丸。美男子だったという伝説と、本能寺の変で、かない最期を遂げたせいで、なんとなく有名。

そして近年では、コンプレックス文学の最高峰・太宰治(実家の津島家)も鶴丸紋。確認はしていないが、太宰治全集には、この鶴丸の箔押しがついているとか。太宰の最期も玉川上水への入水自殺だった。

いずれにしても、悲しい運命の人が多いよね。

まさむね

船場吉兆倒産 湯木佐知子さんへ捧げる歌

予約客 かぞ~えたら片手にさえ余る♪
キャンセルを か~ぞえたら 両手でも足りない♪
SACHIKO 思い通りに♪
SACHIKO ささやいてごらん♪

ばんばひろふみ -SACHIKO- の替え歌です。

船場吉兆が倒産した。女将の湯木佐知子(SACHIKO)さんは、記者会見では、うなだれた状態で登場。
会見中はほとんど、膝の上のQ&Aを読んでいた。
その紙をよく見ると 

誠に申し訳ございません(女将さん)

という風に、答弁人物(しかも さん付け)が書いてある。
弁護士が書いた事がバレてるやないか。

痛い。痛すぎる最後だ...

まさむね

中野から渋谷へはバスで行こう

中野から渋谷へ行くいわゆる63番のバス路線はある意味、現代的な観光路線だ。
中野通りを抜けて、甲州街道に入ると、幡ヶ谷駅付近の右手に、兄(勇貴)が妹(亜澄さん)を殺した歯科医が見える。
甲州街道から山手通りに入り、代々木八幡の先で左に折れると、すぐに夫を殺害した三橋歌織のマンションが見える。
バスは突き当たりをさらに、左に折れると、社員がこぞって、時間中に株取引をしているNHKがある。
NHKを左に、ぐるっと回って、公園通り経由で渋谷駅に。

俺はこの路線を使って大学に通っていたのだ。懐かしい。

まさむね