洞爺湖サミット(7月7日~7月9日)での環境問題に対する共同声明。改めて確認してみよう。
2日目のG8首脳国だけの会議では、一応、2050年までに(全世界に対して)温室効果ガスを半減する(ことを求める)ということが採択されたが、次の日、新興国からのプレッシャーにあっさりと押されて、「世界全体の長期目標を採択することが望ましいと信じる」という声明になった。
結局、2050年という期限もいつの間にかなくなっているし、「求める」という文言もなくなっている。結局、これって「とりあえず、CO2削減の方向でやっていきましょうや。」程度の話なのである。
もっとも、元々、じゃあいつに対しての半減なの?っていうことからして曖昧だった。京都議定書が決めた1990年なのか、2005年(日本政府は主張)なのか?記者会見では、福田首相は外国メディアからの質問に対して、目を泳がせながら「それは現状の半減ってことでしょ。」ってごまかした。
よくよく考えれば、日本では、地球温暖化対策は重要課題だってキャンペーンが毎日のようにマスメディアで流されているが(このキャンペーンもかなり胡散臭い)、例えば、本音で言えば、ロシアやカナダみたいに、今まで雪と氷に悩まされていた国々にとって温暖化はウェルカムに違いないのだ。
腹の中ではみんなどんどんCO2出して欲しいとすら思っているのかも…
さて、会見場から去る福田首相は小さくガッツポーズをしていたが、そのポーズにはどういう意味があったのだろうか。
父・福田赳夫が出来なかったサミットでの議長をとりあえず果たしたっていう「父ちゃん、やったよ。」的福田家の事情ではないか。という憶測が出るほど、首相の志は低かったのかと思うと情けなくなる。
かかった経費が500億円とも600億円とも言われているこの会議だが、その具体的な成果が、福田首相の自己満足だけっていうのはあまりにも寂しい。
この寂しさは、居酒屋タクシーどころの話ではないのである。
まさむね