天下りに一番怒らなければならないのはそこの職員だ

天下り問題の議論が益々激しくなっている。

昨日の予算委員会での討論では、民主党は、天下りの省庁による斡旋だけではなく、OBの”数珠繋ぎ渡り”が問題だと指摘していた。
しかし、問題の本質は、そもそもそういった3年板だけで、ほとんど何もしないで何千万もの退職金を得られるようなポスト、すなわち、そういった無駄な公益法人が無数にあるという事が問題なのだろう。
そういった公益法人には、理事とか理事長とかいう少数のキャリアの天下りもいるが、ノンキャリアの役人の天下りもある。

実は、僕は今から10年位前に、ある公益法人に派遣SEとして働いていたことがあった。
そして、そこにも天下りはいた。
でも、その法人では、理事長はほとんど、見なかった。
2週間に一度くらい、事務所に来ていたみたいだけど、個室に入っちゃうから、目立たなかったのかもしれない。

一方、ノンキャリの天下りたち(立場は嘱託?)は、5~6人で、おじさん軍団を結成し、部屋の隅の島に朝から居て、夕方まで新聞を読んでいた。
でも、これらのおじさんたちはみんな気のいい人だった。
いつもお菓子をくれるは、ちょっとした話相手になってくれるは...
長年、下層・宮仕えで培ってきたんだろう、組織内を円滑に丸めようとする腰の低さはやはり本物だ。

そして、おそらく、彼等の生き甲斐っていうのは会社の外にあるんだろう。
とりあえず、昼間はここに居て、夜、休日に目を輝かせるんだと思う。
ハロプロのファン層は地方公務員だという話を聞いたことがあるけど、こういう法人嘱託もその層に入っているのかも。
みんな話題が豊富だったからね。

ただ、彼等が別の顔を見せる日がある。
それは、本省から課長が見学に来る日だ。
朝からピリピリするおじさん軍団。
何度も社員のところに来て、机の上を綺麗にしろだの、サンダルは履くなだの、背広を着ろだのと注意に来る。
いつもとはまるで違った顔を見せるのだ。
そして、その課長(多分30才位)が一瞬、顔を見せると、おじさん軍団がいきなりとテキパキと動き出す。
おじさん軍団はその課長を取り巻いて、なにかを説明する。
こっちを指差したりして。
そして、お決まりなのは、5分くらいして、軍団と課長は歌舞伎町へ消えていくのだ。
今、思えば、懐かしい光景だったな。

でも、一方で、その公益法人の職員達は本当によく働いていた。
ほとんど、土日も仕事してたからね。
彼等はよく業務を知っているし、仕事も出来た。
やっぱり、そういう人が頑張って、出世して、理事とかになれるようなシステムにすべきだ。
天下り先に12兆円もの大金が投入されているというニュースが流れれば、その時は、確かに一般の我々は許せないと思う。

しかし、天下り問題に一番、怒らなくちゃいけないのは多分、この職員たちかもしれないと思う。

まさむね

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